衆参両院で第94代首相に選出された菅直人新首相は、民主党本部で4日
午後6時から記者会見した。菅新首相は組閣について、「官邸機能の強化、
内閣の一体性、党としての全員参加、そうした体制をつくらなければなら
ない。そのためには、一度、頭を休めることも含め、時間を貸して欲しい。
週明けのそう遠くないうちに、会見で報告できると思っている」と語った。
小沢幹事長の処遇など人事については「すべては全くの白紙。多少の時間
をかけて、意見も聞いて、考えるべき所は考えたい。報復とか全く考えて
いない。参院選小沢幹事長を通じ候補者擁立など準備は進んでいる。こ
れをどういう方に引き継ぐのか、あるいは継続頂くのか、時間を頂いた上
で考えたい」と述べた。

 

迷走に迷走を続けて自壊した鳩山政権。その後を受け継いだのは鳩山政権
を副総理として支えた菅新首相、順当な結果と言えるだろう。鳩山政権の
最大の置き土産となった普天間基地の移設問題は、誰が取り組もうとも沖
縄側の反発は収まらないはずだ。さらに、小鳩体制が崩壊したことで、民
主党内を抑え込んできた小沢幹事長をどう扱うか、それ次第で小沢グルー
プが党内の非主流派として、足を引っ張りかねないからだ。さらに深刻な
のは間近に迫った参院選であろう。鳩山首相では大負けだから、首を挿げ
替えたとは言え、菅新首相が大勝ち出来るとは思えず、現在の連立与党で
参院過半数割れをする可能性が高い。つまり、参院選後の連立政権を
想定しなければならず、ただ戦い抜けば良いわけでもないのだ。人事は週
明けだが、菅新首相の調整力が問われている。