[政治]

民主党菅直人代表が首相に指名されたのを受け、毎日新聞は4、5日、緊
世論調査を実施した。菅首相に「期待する」との回答は63%で、「期待
しない」の37%を大きく上回った。鳩山由紀夫前首相が辞任する前の前回
調査で17%に落ち込んだ民主党政党支持率は28%まで回復。鳩山氏と
道連れの形で同党の小沢一郎前幹事長が辞任したことを「評価する」との回
答は81%に達した。菅首相が「脱小沢」路線を鮮明にしたことが民主党
対する期待感を回復させたことがうかがわれる。菅首相はまだ組閣を終えて
いないため単純に比較できないが、昨年9月の政権交代直後の調査で「鳩山
内閣に期待できる」が68%だったのに迫る期待度の高さと言える。

 

民主党にしては狙い通りの結果なのだろうが、菅新首相は鳩山政権を副総理
として支えてきた事実を忘れてはならない。新内閣が鳩山内閣の閣僚をほぼ
引き継ぐのも、民主党の人材不足が原因である。言わば民主党のオールスタ
ー内閣が鳩山内閣であり、入れ替えをしようにも人材に事欠くのが正直なと
ころであろう。今の支持率を維持出来れば、参院選で大負けをすることは無
くなったと思われるが、果たして与党だけで過半数を超えられるか。脱小沢
が鮮明になったことで、当の小沢幹事長としてはお手並み拝見と言ったとこ
ろだろう。にらみをきかせ、党内を抑え込んできたのは自分との自負がある
以上、後任の枝野氏はやりにくいはずだ。民主党が大勝ちしてしまっては、
小沢幹事長にとって復活の芽がなくなる。すでに参院選後を見据えて動き始
めているに違いない。