自民党大島理森幹事長は7日午前、報道各社の世論調査菅直人新首相へ
の期待が6割程度と高いことに関し、「国民に『小沢隠し』、『小沢仕分け
と映っている。これがすべてだ」と述べ、閣僚・党役員人事で小沢一郎前幹
事長に近い議員を主要ポストで処遇しなかったことが要因との見方を示した。
その上で「菅氏はクリーンな政治と言っているのだから、今国会中の小沢氏
の証人喚問などを実行するべきだ。それができないなら猫だまし内閣と言わ
ざるを得ない」と指摘した。党本部で記者団に語った。公明党山口那津男
代表も、ほぼ固まった新内閣の陣容について「新味は感じられない」と批判。
高い「菅氏への期待」に対しては「政権交代直後の高揚感はない。一時的な
ものだ。国民は政権担当能力があるかどうかを見ている」と述べた。 

 

実質的には鳩山内閣と顔ぶれがほぼ変わらないにも関わらず、文字通りのV
字回復を見せた菅新首相。顔ぶれが変わらないのは当然で、入閣させられる
人材が他にいないためである。脱・小沢と言われるものの、小沢グループ
影響力は菅政権になっても及ぶことだろう。政権交代を成し遂げた功労者を
自負する小沢幹事長にとって、このまま黙っているとは思えない。全国の陳
情窓口を幹事長室に一本化するなど、批判されながらも参院選に勝つための
体制作りを進めてきた。これまで二人三脚で協力してきた連合に加え、自民
党支持の業界団体を引き剥がし組織票の上積みを実現した。小沢色を一掃し
ようにも、小沢幹事長が全国行脚を進めて固めてきた組織は揺るがない。菅
新首相が本気で「政治とカネ」の問題にケリをつけるつもりなら、鳩山首相
小沢幹事長の証人喚問を実現し、説明責任を果たさせるのが筋だろう。