菅内閣は8日夜、発足する。菅直人首相は皇居での首相任命式、閣僚認証式
を経て、第94代、61人目の首相に正式就任。民主、国民新両党による新
たな連立政権がスタートする。これに先立ち、菅首相は同日夕、首相官邸
記者会見し、政権運営の基本方針や参院選への決意を表明する。菅内閣17
人の閣僚のうち、新任は内閣の要となる仙谷由人官房長官ら6人。民主党
玄葉光一郎政調会長公務員制度改革担当相として初入閣し、首相側近の荒
井聡氏が国家戦略担当相、予算の無駄遣いを排除する「事業仕分け」で存在
感を示した蓮舫氏が行政刷新担当相にそれぞれ起用された。菅氏の後任の財
務相には野田佳彦副大臣農林水産相には山田正彦副大臣が昇格した。一方、
岡田克也外相、国民新党代表の亀井静香金融・郵政改革担当相ら11閣僚は
再任された。菅氏自身が兼務していた副総理は置かない。

 

民主党政権の第二幕として発足する菅政権。その期待値はご祝儀相場もあっ
てか、墜落状態にあった鳩山政権から一気に持ち返した。脱・小沢と盛んに
言われているものの、それは即ち小沢グループの非主流化を意味するのだ。
むろん、参院選を控えている中で露骨な党内での権力闘争は無いだろうが、
参院選の結果を見据えた暗躍はあるだろう。副総理・財務相と言う鳩山内閣
の中枢にありながら、ポスト鳩山を狙い敢えて目立とうとしなかった菅首相
そんな見方もある中で、どのような政権運営をしていくのか。ほぼ鳩山内閣
を引き継いだ居抜き内閣である以上、新鮮さを出すのは難しく、クリーンな
政治と言っても漠然としたものでしかない。それでも看板の掛け替えによる
参院選での勝利を狙ったのは、他でもない民主党なのだ。有権者を馬鹿にす
るにもほどがある、昨年の衆院選のような大勝は覚束ないだろう。