[政治]

荒井聡国家戦略相の関連政治団体「荒井さとし政治活動後援会」が、東京都
府中市のマンションの知人宅を「主たる事務所」として総務省に届け、20
08年までの6年間で経常経費計4224万円の支出を報告していたことが
9日分かった。この部屋に住む男性は「家賃はもらっていない」としている。
荒井氏は9日、首相官邸で記者団に「政治資金収支報告書をチェックしたが
問題はなかった。私だけの調査では不十分と思って、党にも依頼してチェッ
クしてもらった。やはり問題はないとの報告を受けた」と語った。同後援会
の03〜08年分の政治資金収支報告書によると、家賃などを計上すること
になっている事務所費が6年間で計1015万円だったほか、人件費を計約
2744万円、備品・消耗品費を計約465万円計上していた。電気や水道
代など光熱水費の支出はなかった。 

 

菅首相の側近中の側近とされる荒井国家戦略相の政治団体に、自民党政権
代でも相次いだ事務所費問題が浮上してきた。荒井氏は「自分でも確認した
が、何の問題もなかった。党にも確認してもらったが、問題はなかった。念
には念を入れて監査法人などにチェックしてもらい、また報告したい」と述
べたが、「主たる事務所」とされた部屋の住人の男性は「お金は一銭ももら
っていない。家賃ももらっていない」とし「連絡事務所で、たまに届く郵便
物を処理していた」と説明したにとどまっている。どこかで聞いたような説
明ばかりだが、菅政権にとって、いきなり出鼻をくじかれたのは間違い無い
だろう。2007年の安倍政権で散々問題となったにも関わらず、2002
年から7年間に渡って「主たる事務所」として総務省に届けられていた。解
散したのは、民主党政権交代を果たした9月だったにも注目すべき点だろ
う。クリーンな政治を標榜した菅首相に、最も信頼するであろう側近からカ
ネの問題が噴出してくるとは、実に皮肉な話である。