民主党樽床伸二国会対策委員長は10日朝、国民新党下地幹郎国会対策
委員長と国会内で会談し、今国会の会期延長は難しく、同党が求めている郵
政改革法案の成立は困難との見通しを伝えた。下地氏はこれに強く反発。同
党内では連立離脱を求める声が強く、与党間の調整が難航している。樽床氏
は9日夜、首相公邸で菅直人首相と仙谷由人官房長官枝野幸男幹事長、輿
石東参院議員会長と協議し、終盤国会の運営をめぐり協議した。樽床氏は下
地氏との会談でこの内容を伝え、「情勢は厳しい。郵政改革法案の成立以外
だったら何でもやる」と述べて協力を要請した。 これに対し、下地氏は「
亀井静香代表は本気だ。これでは参院で問責決議案が可決してしまう」と反
発。郵政改革法案が成立しない場合は、連立離脱を辞さない考えを伝えた。

 

国民新党にとって、郵政改革法案の今国会での成立は絶対に果たしたいとこ
ろであろう。一方、菅内閣の成立によって勢いを取り戻しつつある参院民主
党は、野党に攻撃の時間を与えずに今国会を閉会し、参院選に臨みたいのが
本音だ。これは社民党が連立を離脱した状況と似ているのではないか。小泉
政権の郵政解散によって誕生した国民新党は、民営化に反対する郵政票をバ
ックに小政党ながら存在感を発揮しており、民主党にとっても国民新党の握
る40万とも言われる郵政票は魅力的だった。しかし、支持率が上がったこ
とで、鳩山政権で離反した無党派層からの得票も期待出来るため、40万票
を得ようとして郵政改革法案の強行採決に踏み切れば、潜在的な数百万票を
失いかねない、そんな懸念も浮上している。国民新党には「両党首の合意が
ほごになれば、当然離脱は選択肢の一つ」との強硬論が出ており、菅政権は
いきなり選択を迫られている。