第174通常国会は16日、150日間の会期を終え、閉幕した。政府は1
6日夕の臨時閣議で、第22回参院選日程を「6月24日公示、7月11日
投開票」と決めた。与野党は事実上の選挙戦に入った。自民、公明両党など
の野党は16日、参院菅直人首相と荒井聡国家戦略相の問責決議案、江田
五月参院議長の不信任決議案を提出したが、民主党は本会議開会に応じず、
廃案となった。会期末に野党最大会派が加わって提出した問責、不信任決議
案が、本会議の不開催で採決に付されないのは極めて異例で、自民党などは
強く反発している。衆院では自民党が単独で、予算委員会開催に応じない菅
政権の国会運営を不満として内閣不信任決議案を提出したが、本会議で与党
社民党などの反対多数で否決された。

 

菅政権は事実上、何もしないまま国会を閉幕して参院選に臨もうとしている。
鳩山政権の看板の掛け替えに過ぎないはずが、高支持率が民主党に自信を取
り戻させたのだろう。単独過半数を目指すとの声も聞こえ始めており、風向
きが変わったことを感じているかのようだ。だが、この風は本物であろうか。
何の実績も挙げていない政権を評価しているのでは無く、期待値としての数
字でしかないのではないか。いわゆる第三極を目指す新党が無党派層の受け
皿となるであろうし、鳩山政権で民主党に嫌気がさした有権者も少なくない。
大負けは無いにしても、昨年の衆院選のような一方的な結果にはならないだ
ろう。野党にとっては、民主党単独過半数を取らせず、さらに言えば与党
過半数を取らせないことを勝敗ラインに置いているが、そう難しいことで
はないのではないだろうか。