[政治]

民主党参院選マニフェストの全容が16日、判明した。財政再建を鮮明に
打ち出したい菅直人首相の意向を反映し、焦点の消費税増税を含めた税制の
抜本的な改革を明記した。時期については「早期に結論を得る」とし、超党
派での議論を呼びかけることも盛り込んだ。子ども手当については、平成2
3年度からの満額支給を断念し、現行の1万3千円から「上積みする」とし、
上乗せ分は、地域の実情に応じて保育などでの行政サービスの拡充で対応す
るとした。同党の参院選マニフェスト菅首相が17日午後に記者会見を開
き、発表する。米軍普天間飛行場の移設問題については、米軍キャンプ・シ
ュワブ沿岸部への移設を決めた日米共同声明の履行を明記しながら、「沖縄
の負担軽減に全力を尽くす」とした。菅首相が力点を置いた財政分野では「
新たな政策の財源は、既存予算の削減か収入増による捻出が原則」と明記。
国債管理についても、23年度の国債発行額は22年度を上回らないことを
前提にする方針を掲げた。

 

菅政権が国会の会期延長をせず閉幕したことで、国民新党が最重視した郵政
改革法案をはじめ、労働者派遣法改正案や地球温暖化対策基本法案など、民
主党が推進してきた重要法案の成立が軒並み見送られ、廃案や継続審議とな
った。重要とみなすのなら、会期を延長してでも成立すべきなのだが、ボロ
が出ないうちに参院選に突入したいとの思惑が見て取れる。現に菅首相の側
近とされる荒井国家戦略相に事務所費問題が浮上し、これを野党に攻撃され
ては、せっかく蓋をしたはずの「政治とカネ」の問題が蒸し返すことになる。
また、鳩山政権崩壊の一因となった普天間基地の移設問題にしても、日米合
意では8月末までに具体的な工法を決めるとあり、地元をどう説得するのか
が全く見えてこない。参院選後に残された大きな宿題と言えるが、沖縄選挙
区では民主党は候補すら擁立出来ない。にもかかわらず、マニフェストでは
日米共同声明の履行を明記している。火に油を注ぐだけではなかろうか。