[政治]

菅直人首相は19日、さいたま市千葉市で国会閉会後初めて街頭演説に立
ち、7月11日投票の参院選に向けた遊説をスタートさせた。しかし、民主
党の参院選マニフェスト発表時に掲げた消費税率の10%への引き上げには
触れずじまい。「税金の話は政治家にとってはタブー、トラウマだ」とも語
り、腰の引けた滑り出しとなった。首相は「これ以上、借金に頼って福祉、
景気対策に充てていたら、ギリシャのように財政が破綻する」と財政再建
必要性を強調したが、「消費税」「増税」という言葉は使わなかった。この
日は自民党谷垣禎一総裁も福島県郡山市で街頭演説し、菅首相自民党
掲げた消費税率10%を参考にすると語ったことについて「消費税問題でも
首相は私の背中におんぶしてきた。こんなばかなことがあるか」と批判した。

 

自ら消費税率の引き上げをぶち上げておきながら、いざ遊説に出ると隠そう
とするのは如何なものだろうか。このようなことが批判の対象となるのに気
が付かないのか、気付いていても正面突破するつもりなのか。例えばマニフ
ェストに載ってもいない永住外国人への参政権付与法案成立に力を注ごうと
したり、マニフェストそのものが非常に軽いものとなっている。そして今回
の消費税率を当面10%に引き上げるとしたのも、自民党の出した数字に乗
っかっただけであり、それは批判されてしかるべきだ。本気で消費税の引き
上げに取り組むのなら、菅首相は覚悟を示さなくてはならない。その覚悟が
無いのなら、発言を今すぐに取り消すのが筋である。