大相撲の賭博問題で、元大関で幕内の雅山関が野球賭博への関与を認める上
申書を日本相撲協会に提出していたことが21日、捜査関係者の話で分かっ
た。雅山関の師匠にあたる同協会の武蔵川理事長の監督責任が問われる可能
性が出てきた。雅山関はこれまで、マージャンや花札などの賭け事を認めた
とされていた。警視庁組織犯罪対策3課の同日までの任意の事情聴取に対し
ても、野球賭博への関与を認めたとみられる。一方、大関琴光喜関が暴力団
関係者から口止め料として現金約300万円を脅し取られたとされる問題で、
琴光喜関と暴力団関係者との話し合いの場に、大嶽親方が同席していたこと
も判明。同課は大嶽親方からも事情を聴き、経緯を調べている。捜査関係者
によると、暴力団関係者は琴光喜関から、野球賭博に関与したことの口止め
料として約300万円を脅し取ったとされる。

 

不祥事が相次ぐ角界。もはや日本相撲協会に自浄作用を期待するのは、難し
いように思える。過去には勝負勘を養えるとして弟子に賭け事を奨励する親
方さえおり、巡業先の支度部屋で花札に興じる力士の姿は近年も珍しくなか
った、そんな報道が見受けられるように、一部の力士の話であろうが、いず
れにしても賭博と非常に近い距離にあったことが伺える。不祥事が起きるた
びに膿を出し切ると協会側は言うものの、その膿は減るどころか、ますます
出てきているからタチが悪い。名古屋場所の開催すら危ぶまれている中、ど
のような報告、そして対策が協会側から出されるか。身内に甘い体質をここ
でも出すようなら、協会そのものの存亡に関わる事態に陥ることを理解すべ
きだろう。反社会的勢力と近い距離にあることが、どれだけ自分達のリスク
となっているか、協会の体質を根本的に変える必要がある。