読売新聞社は7月11日投開票の第22回参院選を前に、全国世論調査を実
施し、全国総支局の取材結果なども加えて、序盤の情勢を探った。民主党
比例選で強さを見せるものの、選挙区選で苦戦を強いられ、獲得議席は50
程度にとどまる可能性がある。連立を組む国民新党も厳しい戦いをしており、
与党の過半数維持は微妙な情勢だ。自民党参院選のカギを握る1人区で優
位に立つなど、前回参院選議席を大きく上回り、50議席に迫る勢い。た
だ、投票態度を明らかにしていない有権者は選挙区選で3割弱、比例選で2
割弱いるため、情勢は終盤にかけて変化する可能性がある。

 

首相の首を挿げ替えることで、内閣支持率をV字回復させた民主党だったが、
選挙戦の中で支持率が上がる可能性は低く、むしろ支持率が下がる可能性の
方が高いだろう。突如としてぶち上げた消費税率の引き上げ案にしても、去
年の衆院選鳩山内閣の当初4年間は、消費税率を引き上げないと公約して
いたのを反故にすることであり、さらに言えば嘘だったと言っているような
ものだ。制度設計に2、3年をかけるとすれば、当初4年間と期間的には変
わらないかもしれないが、それではただの詭弁である。3年前の参院選で民
主党を躍進させたのは一人区での圧勝であった。それが覆されるとなると、
単独過半数に届くはずも無い。また、タレント候補を乱立させた比例にして
も、かえって反発を招く恐れがある。以上の状況から、よほどのことが無い
限り、菅政権に追い風が吹くことは有り得ないだろう。