参院選は11日の投開票まで残り1週間。選挙戦最後の日曜日となった4日、
菅直人首相や谷垣禎一自民党総裁ら各党党首は、首都圏や重点選挙区で街頭
演説を行い、消費税問題や経済政策などで他党への批判を交えつつ、支持を
訴えた。菅首相はこの日、愛知、神奈川、千葉の改選数3の「3人区」を回
った。名古屋市では「自民、公明中心の政治が皆さんの生活をどのような形
にしたのか」と、政権交代の意義を強調。さらに、「3人区」すべてで候補
者を擁立したみんなの党に言及し、「渡辺喜美代表は『天下り絶対反対』と
言うが、行政改革担当相の時、内閣一体で天下りあっせんを永久的に認める
法案を通した」と批判した。一方、谷垣氏は東京都内をJR山手線で移動し
ながら遊説した。

 

首相の首を挿げ替えることで大敗を免れそうな民主党であるが、それでも目
標である単独過半数はハードルが高く、国民新党と合わせての過半数維持も
微妙な情勢である。すでに各党共に参院選後の政局を見据えていることだろ
う。メディアで盛んに言われているように、民主党では手のつけにくい公務
員制度改革をやらせるため、みんなの党を連立に引き込む、または政策とし
ては似通った部分の多い公明党と連立を組む、そんな2パターンが考えられ
るだろう。そうなれば3年間は国政選挙が無く、菅首相がぶち上げた消費税
率の引き上げにしても、十分な議論が出来るはずだが、果たして正面から取
り組むことが出来るのか。一方の自民党はどこまで議席数を伸ばせるか。微
増で終わるようでは、党勢の回復とは言えないだろう。泣いても笑っても、
残り一週間。我が国の将来を選ぶのは、我々有権者である。