[政治]

菅直人首相は8日、熊本市内での街頭演説で、みんなの党などの少数政党に
ついて「目立ってみても、国会では法案が通らない。ほかの党とどこかで手
を握って仲良くしなければいけない」と述べた。政策実現のためには民主党
との連携を模索すべきだとの考えを示したものだが、協力を強いるかのよう
な発言には反発も出そうだ。首相はこの後、川崎市内で行った演説で「社民
連という政党で16年間頑張って、いくらいいことを言っても、5人だけで
は(政策実現は)できなかった。やっぱり大きな政党と手を組むしかないわ
けだ」と強調した。 

 

参院での与党過半数割れの危機と言うことで、菅首相も必死なのだろう。だ
が、その必死さがかえって悪い影響をもたらしているのではないか。過半数
割れを起こせば、衆院で法案を通しても参院で否決されると言う、ねじれが
再現される。つまり菅首相の言うところの政策実現が難しくなるのだ。社民
党が連立から離脱したことで、衆院議席数も3分の2を割り込み、再議決
と言う切り札は失われている。ねじれを起こし再議決で凌いできた自公政権
よりも状況は悪いと言わざるを得ないだろう。そんな状況を回避したいがた
めに少数政党への協力を呼びかけたのだろうが、足元を見られるだけではな
いか。民主党が飲めないような法案が連立参加の条件だったら、どうすると
言うのか。大いに疑問である。