民主党枝野幸男幹事長は9日、遊説先の高知市で、参院選で与党が過半数
を確保できない場合でも、菅直人首相が続投するとの認識を明らかにした。
枝野氏は「日本の憲法では首相を選ぶのは衆院となっている。衆院で300
人を超える方に首相指名をしていただいている。その基本は変わらない」と
述べ、憲法に基づき衆院の首相指名が優先されるとの考えを示した。報道各
社の世論調査では、参院での与党の過半数維持が厳しい情勢になっており、
民主党内で責任論が浮上する可能性も指摘されている。また仙谷由人官房長
官は9日午前、参院選民主党獲得議席の勝敗ラインについて「首相が54
をあげている。私も変わっていない」と述べ、同党の改選54議席以上を目
指す考えを明らかにした。

 

民主党は予防線を張り過ぎて、どこに目標を置いたのかが分からなくなって
いるのではないか。与党の過半数割れは、そのまま党代表や幹事長の責任問
題に直結するはずだが、果たして乗り切ることは出来るのだろうか。民主党
の支持率低迷の原因だった小鳩コンビの退場で、これで勝てると改選を控え
民主党参院議員がほくそ笑んだ中、突如として菅首相が消費税率の引き上
げをぶち上げ、再び逆風を起こしてしまった。こうなると、敗因は菅首相
あると参院選後に突き上げを食らうのは必至である。そのため、予防線を張
ろうが張るまいが、過半数割れが現実のものとなれば、菅首相の責任を問う
声が上がるのは間違い無い。勝ち戦を負け戦とした張本人だけに、落選した
議員にとっては恨み骨髄に徹すことだろう。そんな状況で、衆院で300人
を超える議員に指名されたのだから問題無い、などと言う認識を示せばどう
なることか。能弁なのは結構、しかし能弁であるが故に足をすくわれる、そ
れを理解すべき時だろう。