第22回参院選は12日朝、改選121議席の当選者がすべて確定した。民
主党は選挙区28、比例16の44議席で、改選54から大きく後退した。
非改選を含めた与党系議席参院過半数122を12議席も割り込んだ。党
執行部への責任論がくすぶるが、続投を表明した菅直人首相は内閣改造など
は行わず、現体制のままで難局を乗り切りたい考え。落選した千葉景子法相
や、選挙大敗の責任を取る立場の枝野幸男幹事長も、当面は続投させる方針
だ。改選38の自民党は選挙区39、比例12の51議席を獲得し、改選第
1党になった。みんなの党は改選0から10議席に躍進した。公明党は改選
11から2議席を減らし9議席共産党は1議席減の3議席社民党も1減
の2議席だった。たちあがれ日本新党改革はそれぞれ1議席を確保。国民
新党は改選3議席を失った。

 

政治とカネの問題に塗れた小鳩体制から、菅・反小沢派体制へと移行したに
も関わらず、民主党は大敗した。その最大の要因は、菅首相がぶち上げた消
費税率の引き上げなのだろうが、消費税率の引き上げ自体は議席を伸ばした
自民党マニフェストに記載している。消費税率以外の要因としては、この
数カ月の民主党政権に対する不信感、それが特に無党派層の離反を招いたの
ではないか。菅首相は続投を表明したものの、勝てる選挙を落とした、そん
な評価が今後はつきまとうことになる。党内基盤は脆弱となり、難しい党運
営を迫られることになるだろう。菅首相はここで過半数を維持し、批判を封
じた上で9月の代表選に臨みたかっただろうが、小沢グループに付け入る隙
を与えたことになる。党内抗争が収まるまでは、連立や連携を模索すること
も出来ない、菅政権は八方ふさがりの状況に追い込まれつつあるようだ。