菅首相は、与党が参院過半数割れしたことを受けて、公明党みんなの党
に対し、国会運営での連携を求めていく方針を固めた。首相が12日、周辺
に伝えた。当面、政策や法案ごとに賛成を求める「部分連合」を念頭に協力
を要請するが、将来の連立政権参加も視野に入れている。首相は9月の民主
党代表選までに政権安定の枠組みにめどを付け、再選を確実にしたい考えだ。
参院選の結果、非改選を含む与党の議席は110議席となり、過半数に12
議席届かない。首相は、安定政権を築くには、野党の中で比較的政策が近い
公明党か、みんなの党との連携が不可欠と判断したとみられる。

 

参院選での与党過半数割れによって、このままでは衆院で法案を通しても参
院では通らない。さらに与党は衆院で3分の2を押さえていないため、自公
政権のように再議決で乗り切ることも適わない。つまり、非常に厳しい状況
にあるわけだが、予想通りみんなの党公明党との連携を模索するようだ。
与党の参院における110議席みんなの党は11議席で、過半数には1議
席足りず、他党を切り崩す工作が必要となる。そう考えると、政策が近く1
議席を持つ公明党を引き込んだ方が、安定政権を築くことが可能になる。
公明党は与党であることのメリットを知っているだけに、政策や法案ごとに
賛成を求める「部分連合」に留まらず、いずれは連立に加わるのではないか。
むろん、そうなると民主党を支援してきた反創価学会の宗教票は逃げるだろ
うが、3年間は安定した政権運営が望める。人気を集めるみんなの党か、安
定した公明党化、どちらを取るか、菅政権は選択を迫られている。