民主党渡部恒三衆院副議長は23日、「この際は菅首相にしっかり頑張
ってもらわないとならない」と述べ、9月の党代表選で菅直人首相の再選を
支持する考えを表明した。首相官邸で首相と会談後、記者団に語った。また、
藤井裕久財務相も23日のTBSの番組収録で「大きな流れを考えれば、
菅さんが続けるべきだ。そういう方向でまとまるのが代表選の正しいあり方
だ」と述べた。渡部、藤井氏という小沢氏と距離を置く民主党の長老格が続
投支持を打ち出したのは、22日に鳩山由紀夫前首相と小沢一郎前幹事長、
輿石東参院議員会長が会談したことをけん制する意味もあるとみられる。

 

9月の民主党代表選に向けて、党内抗争が表面化しつつあるようだ。本来な
参院選で与党が過半数維持し、無風のまま菅代表の無投票再選が既定路線
だったのだろうが、参院選で大敗を喫したことで、執行部の責任を問う声が
強まり、一時は放逐された小沢グループも動き出している。鳩山前首相と小
沢前幹事長、そして参院議員会長に再選された輿石氏、この3人がそれぞれ
率いるグループを結集すると、民主党所属の国会議員の過半を押さえること
が可能になる。むろん、全員が全員、その通りに動くとは思えないが、菅首
相にプレッシャーをかけるには十分な会談だっただろう。特に鳩山前首相は
小沢前幹事長と一緒に退いて参院選に勝利できる環境をつくったのに、菅首
相の消費税発言が、それをぶち壊しにしたと考えているようだ。菅包囲網が
早くも形成されつつある。