菅直人首相は24日午後、鳩山由紀夫前首相と東京都内のホテルの日本料理
店で会食した。9月の民主党代表選を前に鳩山氏は菅氏の続投支持を表明し
ており、今後の政権運営などについて意見を交換したとみられる。両氏の会
談が確認されたのは、民主党が大敗した参院選直後の13日以来。夫人も同
伴し、約2時間にわたり昼食を取った。鳩山氏は22日、国家戦略室の機能
縮小に異を唱える一方、「現時点では」と前置きして菅首相の続投を支持。
参院選前から会談が実現していない菅首相小沢一郎前幹事長との仲介にも
意欲を示し、同日には小沢氏、輿石東参院議員会長と会談するなど、代表選
へ向け活発に動き始めている。

 

次期衆院選には出馬せず、引退するとした鳩山前首相だが、最近はそれを撤
回したのか、党内で影響力を発揮しようとしている。小沢氏や輿石氏と会談
したのもそのためだろうが、果たして今の民主党はそのようなことをしてい
る場合なのだろうか。いよいよ本格的な民主党政権が誕生かと思いきや、与
党が参院過半数割れを起こし、身動きが取れない中で、次に打てる手と言
えば他党から数合わせのために引き抜くか、連立の組み替えをはかるか、そ
の程度のものだろう。鳩山前首相は在任中は党内のことは、小沢前幹事長に
任せっきりだったことを考えると、他党との折衝など出来るとは思えない。
参院のドンとして君臨する輿石氏や党内最大グループを率いる小沢氏と連携
しないことには、菅首相は身動きが取れないのではなかろうか。