参院予算委員会は4日午前、菅首相と全閣僚が出席して質疑を行い、参院選
で野党が過半数を握った参院でも与野党の論戦が始まった。首相は「総理大
臣という席についた政治家の評価は、歴史が決めるものだ。歴史に恥じない
行動を取りたい」と述べ、政権運営への決意を強調。「財政運営の健全化の
ために不退転の決意で臨んでいく」と述べ、財政再建に重点的に取り組む考
えを改めて示した。昨年衆院選民主党政権公約の柱である子ども手当につ
いては、「消費増加効果については検証が今後、必要になると思う」と述べ、
経済効果の観点からも制度のあり方を検討する考えを示した。参院選で与党
が敗北したことに関しては、「私の消費税に関する発言が、すぐにも消費税
を上げるかのように受け止められたことが大きく影響した。国民の皆さんだ
けでなく、我が党の皆さんにご迷惑かけた」と改めて陳謝した。

 

「総理大臣という席についた政治家の評価は、歴史が決めるものだ。歴史に
恥じない行動を取りたい」と語った菅首相だが、9月の代表選が終わった時
に総理大臣の席に座っていることが出来るのだろうか。菅首相がぶち上げた
消費税率の引き上げにしても、自民党案の10%を参考にしたいと言ってい
たが、果たして今もその考えなのか。それとも参院選で大敗したことで、考
えを改めたと言うのだろうか。少なくとも、自らの言葉で語れないようでは
話にならない。民主党にとって単独過半数を狙う天王山で、思わぬ大敗を喫
したことで菅首相に対する風当たりは非常に強くなった。9月の代表選に向
けて、菅体制を支える面々がどう動くか。菅首相を支持する閣僚とて、一蓮
托生と言うわけでは無い。臨時国会が閉会する前から、永田町には風が吹き
始めている。その風に菅首相は耐えられるだろうか。