次期主力戦闘機の機種選定をめぐり、防衛省は7日、平成23年度予算案の
概算要求に初めて調査費を計上する方向で最終調整に入った。米英などが共
同開発中のF35ライトニング2の技術情報について、米政府に開示を求め
る費用として最大で約10億円の計上を想定。21年度に調達を開始する当
初予定から大幅に遅れているFX問題は、F35の選定に向け、大きく動き
出す。米国が多国間で共同開発する装備品について、日本が有償軍事援助契
約で米側に情報開示を求めるのは初めて。ただ、米国以外の国が日本優遇に
難色を示す恐れもある。また、米軍普天間飛行場移設問題で日米同盟がきし
むなか、曲折も予想される。

 

F22の導入が不可能になり、航空自衛隊の次期主力戦闘機の機種選定は振
り出しに戻ったが、同じ第5世代のF35が候補に挙がっている。老朽化し
たF4の後継を決めるFXの候補としては、他に米国のFA18E/F、欧
州共同開発のユーロファイターが残っているが、ともに第4世代機でF35
と比較すれば性能は劣るとされる。しかしF35にしても実戦配備が予定よ
り遅れており、さらに共同開発に参加した国に優先的に配備されるとすれば、
我が国への配備はいつになるかは分からないのが現状である。むろん、他に
導入出来そうな戦闘機があれば別だが、今のところ候補が絞られている以上
は仕方の無いところだろう。共同開発に参加していない韓国が今秋にもF3
5の情報開示を請求するとされ、遅れをとってはならないと判断したことも
見逃せない点だ。