所在確認ができない高齢者が全国で相次いでいる問題で、警察に行方不明者
届が出されている100歳以上の高齢者は今月上旬までに49人にとどまっ
ていることが16日、警察庁のまとめで分かった。各自治体で100歳以上
の高齢者の所在確認を進めているが、現時点で所在不明者は少なくとも二百
数十人に上るとみられる。この大半が身寄りもなく行方不明になり、住民登
録だけが過去の住所地に残っている実態が浮き彫りになった。7月28日に
東京都足立区の民家で、生きていれば111歳の男性とみられるミイラ化遺
体がみつかったことを受けて、警察庁は全国の警察に届け出があった行方不
明者届のデータベースを調査。この結果、100歳以上の人は男性35人、
女性9人の計44人が把握できた。

 

自分の肉親の所在すら分からない、これが現代社会と言うものなのだろうか。
家を出ていったきり10年以上も行方知れず、しかし年金は家族が受け取っ
ているケースもあり、これは不正受給と言って差し支えは無い。こう言った
存在しないはずの高齢者がカウントされることで、長寿大国としての我が国
があるのなら、実に滑稽なことであろう。早急に実態の把握をして欲しいも
のだが、家の中のことにまで公権力が乗り込んでくることに抵抗する向きも
あり、所在不明として住民登録が抹消されて片付けられていくことだろう。
家の中でミイラ化した遺体が見付かったケースは極端ではあるものの、死亡
届を出さずに年金を不正受給しているケースは少なからず存在するはずだ。
夏の亡霊とも言うべき所在不明の高齢者たち。対象年齢を下げれば、さらに
表面化してくることだろう。早急な解決を求める。