民主党代表選を巡り、衆院東京11区内の党員・サポーターとして登録した
覚えがない人に投票用紙が送付された問題で、複数の投票用紙に記載された
党の総支部などの識別番号が同党の渡辺浩一郎衆院議員の支部を示すことが
分かった。毎日新聞の取材では、投票用紙が送付された人は自治会の役員名
簿に氏名などが載っており、水増し登録に利用された可能性がある。送付先
には自民党員も含まれ、実際に投票した人もいた。サポーター登録のずさん
な実態の一端が浮き彫りになった。この問題では、同区選出の下村博文衆院
議員が8日、自らの後援会幹部ら約60人に、民主党の党員やサポーターで
もないのに投票用紙が送られてきたことを明らかにしている。多くは自治
の会長や副会長だったという。民主党本部が発表した党員・サポーター数で、
東京11区は2481と全国300小選挙区で4番目に多い。全国の1選挙
区平均の1140を大幅に上回っている。

 

自治会の役員名簿を参照して、勝手にサポーター登録を行ったところで、何
のメリットがあるのだろうか。関与が疑われている渡辺氏は「事実関係を確
認しないと分からないが、そういうことがあれば党本部から連絡があると思
う。事務所に聞いてほしい」と答えたようだが、その事務所が取材拒否では
話になるまい。党員、サポーターを含めての代表選は数年ぶりと言うことで
あるが、自民党議員の後援会幹部まで登録していたのは、悪い冗談のようだ。
サポーター数が多いと党本部の覚えがめでたいのだろうか。サポーター票を
めぐっては、高松和夫衆院議員事務所が一部サポーターに白紙の投票用紙提
出を依頼したとされる疑惑が浮上したりと、代表選の公正さを揺るがすケー
スが相次ぎ、大きな問題となっている。内輪の選挙とは言え、民主党には厳
正な処分をして欲しいものだ。民主党の代表選は今や我が国の首相を選ぶ選
挙なのだから。