任期満了に伴う沖縄県名護市議選が12日、投開票される。11月28日投
開票の県知事選とともに、米軍普天間飛行場移設問題の行方を占う選挙とし
て注目を集めているが、移設問題を争点に掲げる候補者は多くない。幅広く
支持者を獲得したい候補者にとっては、有権者を刺激しかねないテーマでも
あり、言及を避けているようだ。稲嶺進市長は日米共同声明に盛り込まれた
同市辺野古への移設に反対。市長支持派のある候補者は自らも反対の立場だ
が、選挙戦で移設問題に触れることはほとんどない。支持者には移設容認派
も多く、彼らを「刺激しない言い方はないか」と頭を悩ませた結果だという。
この候補者は「(市議選は)地縁・血縁の世界」と強調する。

 

市長派と反市長派との対決となる名護市議選。普天間基地の移設先となって
いる名護市だけに、移設反対を訴える市長派が過半数を得れば、日米合意に
基づいて移設を進めようとしている政府にとっては、あまり好ましくない事
態となるだろう。さらに11月の沖縄県知事選で、移設反対を掲げる候補を
後押しすることになる。だが、沖縄県民全体が果たして移設にどれだけの関
心を持っているのか。移設の当事者である名護市議選にしても、移設問題を
争点に掲げる候補者が多くないのでは、県民の総意とするには無理がある。
鳩山政権が迷走させた普天間基地の移設問題は、いつになったら解決への道
筋が出来るのだろうか。