民主党は14日午後、都内のホテルで党代表選挙を行い、菅直人首相を再選
した。菅首相は代表再選後にあいさつし、「挙党態勢で頑張る」と強調。午
後5時半から会見に臨み、首相続投の決意をあらためて表明する見通しだ。
菅首相小沢一郎前幹事長の一騎打ちとなった党代表選は、獲得票が菅氏7
21ポイントに対して小沢氏491ポイントとなり、200ポイント以上の
大差となった。菅首相の続投が決まったことで、今後は内閣改造や党役員人
事にも注目が集まる。菅首相はあいさつで「ノーサイド民主党全員が自分
の力をフルに発揮し、挙党態勢で頑張り抜くために、民主党員の協力をお願
いする」と全党一致で政権運営にあたっていく考えを示した。小沢氏との一
騎打ちとなった今回の代表選で菅首相は、勝利した場合の小沢氏の処遇につ
いて明言を避ける一方、代表選後は小沢氏と協力していくと明言していた。

 

菅首相と小沢氏は国会議員票ではほぼ互角だったものの、サポーター・党員
票では菅首相が圧倒的な差を付け、このリードを保ったまま勝利した。思え
ば、6月の代表選でも菅首相は「ノーサイド」と言っておきながら、結局は
脱小沢路線に舵を切り、小沢グループを排除してしまった。今回、完敗した
小沢氏が菅首相の軍門に下って、何らかの要職に就くことになるのだろうか。
それとも、静かにしてもらうことが、菅首相が言うところの協力に当たるの
か。小沢氏にとって国会議員票で大きく上回れば、サポーター・党員票での
劣勢を補えるとの見込みもあったかもしれないが、票数は綺麗に分かれた格
好となった。つまり、菅首相派と小沢氏派で割れたことを意味している。む
ろん、民主党が分裂しての政界再編など現状では考えにくいが、菅首相が小
沢氏をどう扱うか、大きく影響してくることだろう。そして、ねじれ国会と
言う現実が菅首相の前に立ち塞がる。これからが本当の勝負だろう。