菅直人首相は15日午後、民主党代表選で戦った小沢一郎前幹事長と党本部
で会談した。党運営への協力を求めたとみられる。首相はまた、民主党役員
人事と内閣改造に向けた調整を続行した。参院選大敗の責任を取って退任す
枝野幸男幹事長の後任が焦点。幹事長など党三役には旧民社党系グループ
川端達夫文部科学相の名が浮上している。閣僚では蓮舫行政刷新担当相の
留任が固まった。代表選で敗れた小沢氏が「一兵卒」に戻ると表明している
上、会談も約10分間と短時間だったため党人事や閣僚人事などで具体的な
協議を行ったかどうかは不明だ。党三役をめぐっては小沢氏に近い松本剛明
衆院議院運営委員長らの名前も取りざたされている。一方、前原誠司国土交
通相は視察先の静岡県小山町で記者団に、午前中の首相との会談が党役員、
閣僚人事に関する協議だったことを認めたが、自身の続投の可能性について
は「首相が判断されることだ」と明言を避けた。

 

正に党を二分するような代表選となり、菅首相が言うようなノーサイドで片
付くとは思えない。国会議員票が完全に割れたことで、今後の党運営が円滑
に進められるかがカギとなるだろう。小沢派を完全に除外してしまえば、小
沢氏を支持したグループの反感は強く、そして小沢氏をどう処遇するかが問
題である。党三役や重要閣僚を小沢派に開放し、ひとまずは挙党一致の姿勢
を見せるのか。それとも論功行賞として中間派から登用するのか、非常に難
しい判断を迫られている。党員・サポーターの圧倒的な支持によって、菅首
相は再選することが出来たわけだが、下馬評で菅優位との情報が流れても、
小沢支持派から勝ち馬に乗ろうと鞍替えする議員は少なかった。つまり、結
束が固く、菅首相が続投することを良しとしない勢力が党内に存在すること
を意味する。果たして、どのような顔ぶれとなるだろうか。注目したい。