改造内閣の発足から一夜明けた18日、閣僚はテレビ出演などを通じて、
経済対策や党内融和に全力を挙げる姿勢をアピールした。一方、菅首相は同
日昼過ぎ、仙谷官房長官、前原外相らと首相公邸で会い、来週訪問するニュ
ーヨークでの国連総会などの打ち合わせを行った。首相は連休中に残る副大
臣・政務官人事の陣容を固めることにしているが、民主党代表選で小沢一郎
元代表を支持した議員を積極的に登用することで、党内融和に配慮を示す考
えだ。民主党代表選で小沢氏を支持した海江田経済財政相は18日朝のTB
Sの番組で、「代表選の時から『脱小沢』を争点にしてはいけないと言って
いた。これから副大臣政務官を決めるので、当然、小沢さんのグループに
所属する人たちもちゃんとしっかり政府の中に入ると思っている」と述べ、
閣僚への起用がゼロだった小沢グループへの配慮を求めた。

 

挙党一致で難局に当たる、いつの時代も聞く言葉のようだが、これが言葉通
り実行されることは非常に少ない。代表選では菅支持派と小沢支持派の国会
議員票は拮抗していたため、党内は実質的に割れた状態である。それを融和
するには人事による配慮が必要だろうが、入閣したのは菅支持派が14、小
沢支持派が3と圧倒的な差がでた。勝った側がこのような人事をするのは、
当然と言えば当然だが、小沢支持派をどう扱うか練らなければならない。そ
こで菅首相が言うところの「412人内閣」が出てくる。菅首相は、民主党
所属の国会議員全員が力を発揮できる「『412人内閣』を具体化する段階
に入った」と発言していたが、敗れた小沢氏は一兵卒として働く、との姿勢
を崩しておらず、まとまりそうにはない。副大臣政務官に小沢支持派を登
用する動きもあるが、どこまで懐柔出来るかは微妙である。