前原誠司外相は19日のNHKの番組で、米軍普天間飛行場移設問題につい
て「オバマ米大統領が来るからといって、合わせてものごとを進める立場に
は立たない」として、11月に予定される米大統領の来日には絡めず沖縄の
理解を得る努力を続けていく考えを強調した。最終結論の時期について政府
は既に、11月28日の沖縄県知事選以降に先送りする方針を決めている。
外相は「時間をかけ(沖縄に)おわびし、じっくりと話し合っていくことが
大事だ」と述べた。

 

民主党の中でも外交・安保通とされる前原氏が外相に就任したことで、普天
間基地の移設問題は前進するのだろうか。鳩山前首相がぶち上げた最低でも
県外移設との掛け声によって、移設問題は暗礁に乗り上げ、鳩山政権崩壊の
引き金となった。日米間では辺野古に移設することで合意したものの、先日
の名護市議選では移設反対の市長派が勝利し、そう容易にことは進まないだ
ろう。時間をかけじっくりと話し合うと言っても、説得する相手が反対を主
張する中で、どう話し合うのだろうか。普天間基地の移設が実現すれば、嘉
手納より南の米軍基地・施設は返還されるとされ、基地負担の軽減につなが
る。民主党にとって解決すべき課題なのは確かであり、菅政権にとっても避
けられない課題である。前原氏の手腕がどうと言うよりも、民主党が沖縄と
どう向き合うかがカギとなるのではなかろうか。