中国外務省は19日、尖閣諸島周辺で発生した日本の海上保安庁の巡視船と
中国漁船の衝突事件を受けて、日中間の閣僚級以上の交流を停止した。日本
側が中国漁船船長の拘置期間延長を決めたのに対し、強硬な対抗措置を取る
としている。中国外務省の馬朝旭報道局長は、ウェブサイトに掲載した声明
で「中国は船長の無条件での即時釈放を日本に要求する」と表明。「日本が
忠告に反して故意にふるまい、次々と過ちを犯し続けるなら、中国側は強烈
な対抗措置を取る。すべての結果の責任は日本側が負うべきだ」と述べた。
また、中国国営テレビは、別の外務省当局者の発言として、日本の決断は「
中日関係に深刻な打撃を与えている」と報道。新華社によると、王光亜外務
次官は丹羽宇一郎駐中国大使に対し、船長の拘置に「厳重な抗議」と「強い
憤り」を伝えている。

 

中国側の対応は明らかに恫喝そのものである。我が国が何処で折れるかを推
し量っているかのようだ。むろん、今回の事態は、我が国の領海における公
務執行妨害事件であり、粛々と我が国の法律に従って処理すべきだろう。事
件の起きた海域は豊かな漁場とされ、中国だけでなく台湾の漁船も領海内に
入り操業しているようだ。いつ問題が起きてもおかしくない海域だったよう
だが、ここで毅然とした対応をしておかねば、次第に中国側もエスカレート
してくることだろう。むろん、中国にとって今回の問題を看過すれば、国内
の世論が弱腰外交として一気に破裂しかねない。我が国は安易に政治判断を
すること無く、違法行為をした中国の漁船を取り締まった、その事実を残す
べきだろう。何よりも、菅政権が毅然とした態度を示すことが重要である。