与野党は27日、国会内で国会対策委員長会談を開き、尖閣諸島沖の日本領
海内で起きた中国漁船衝突事件について、30日に衆院予算委員会の集中審
議を開くことで合意した。菅首相と関係閣僚が出席する見通しだ。野党各党
が27日の国対委員長会談で衆院予算委の閉会中審査の要求を決め、与党が
受け入れた。一方、参院外交防衛委員会は28日に前原外相や北沢防衛相ら
が出席して閉会中審査を開き、事件に関する質疑を行う。野党側が求めてい
たもので、今回の事件について政府が国会で説明する初の機会となる。

 

唐突に中国人船長の釈放が決定したことで、多くの国民が驚いたことだろう
が、菅政権は那覇地検の判断を了とした、と説明するのみである。政治介入
があったか無かったかは置いておくとしても、釈放に至った経緯が不透明な
のは間違い無いだろう。今後、同じような事件が起きた場合は、どのように
対処するつもりか、その辺を問いただしてもらいたいものだ。報復としてか、
日本人4人が中国で拘束されたことも、中国人船長の釈放に大きく影響した
のだろうが、事実上圧力に屈服したと見られても仕方あるまい。問題を大き
くする前に収拾するか、あくまで船長を起訴すべきだったのか、いずれにし
ても、我が方だけがカードを失ったのは事実だ。誰も強硬姿勢を求めてはい
ない、ごく当たり前の対応をして欲しいだけなのだ。