民主党最高顧問の羽田孜元首相27日、都内の衆院議員会館信濃毎日新聞
の取材に応じ、「自分の選挙は今回限りという覚悟をした」と、今期限りで
引退することを明言した。さらに「個人的な意向」とした上で、現時点では
長男で同党参院議員の雄一郎氏を後継に望む考えを明らかにした。雄一郎氏
については「自分と後援会との間でも、そのような方向で固まりつつあると
思う」との認識を示した。ただ、党本部や県連、自身の後援会「千曲会」と
は、まだ具体的な相談をしていないとした。民主党は昨年の衆院選マニフェ
ストで、国会議員の世襲を認めないと明記。孜氏自身もこれまで、一般論と
して世襲に否定的な見解を示してきた。この点について孜氏は「世襲であっ
てもまっとうな政治はできる。世間的に非難があるというが、本当にそのよ
うな非難があるのかとも思う」と述べた。

 

自身の選挙区を長男に譲る、それを一般的に世襲と言うのではないか。民主
党はマニフェストで国会議員の世襲を認めないとしたものの、昨年の衆院選
では山岡賢次氏の3男達丸氏が北海道ブロックの名簿に登載されるなど、世
襲を認めないとしながら実に姑息な手段を使う議員もいた。名簿順位は13
位と下位だったが、民主党に強力な追い風が吹く中での選挙だっただけに、
ほぼ当選は約束されたようなものであった。羽田氏が何を考えて、長男を後
継に望むと発言したのかは不明だが、反発は必至であろう。羽田氏は元首相
とは言え、民主党内でも影響力が発揮出来る立場でも無く、むしろまだ現役
だったのかと思ってしまう。自民党とは違う、それが民主党の強みであった
はずが、同じような道を歩み始めているように見えるのは気のせいだろうか。