日米両防衛当局が、11月のオバマ米大統領の来日直後から、米海軍と海上
自衛隊を中心に空母ジョージ・ワシントンも参加しての大規模な統合演習を
実施することが明らかになった。作戦の柱は、沖縄・尖閣諸島近海での中国
漁船衝突事件を受けた「尖閣奪還作戦」。大統領来日のタイミングに合わせ
統合演習を実施することにより、強固な日米同盟を国際社会に印象付け、東
シナ海での活動を活発化させる中国軍を牽制する狙いがある。日米統合演習
は2004年11月に中国軍の潜水艦が沖縄県石垣島の領海を侵犯して以来、
不定期に実施されている。

 

尖閣諸島は我が国固有の領土である以上、日米安保の適用対象となるとクリ
ントン国務長官が見解を示しており、中国にとって正面切って軍を送り込ん
でくることは無いだろう。オバマ大統領の来日と合わせ、大規模な統合演習
が実施されるのも、中国に対する牽制以外の何ものでもない。演習の中核は
米第7艦隊所属の空母「ジョージ・ワシントン」、イージス艦をはじめ、レ
ーダーに捕捉されにくい最新鋭ステルス戦闘機F22も参加予定とのことで、
その規模の大きさが良く分かる。菅政権が場当たり的な対応を繰り返す中、
それと同時に我が国の国益は損なわれていく。こういった演習が中国へのメ
ッセージとなることを祈るばかりだ。