小沢一郎民主党元幹事長の資金管理団体陸山会」の土地購入をめぐる事件
で、東京地検特捜部が2回にわたり嫌疑不十分で不起訴とした2004年と
2005年分の同会の政治資金収支報告書の虚偽記載について、東京第5検
察審査会は4日、小沢氏を起訴すべきだとする2回目の議決を公表した。議
決は9月14日付。昨年5月施行の改正検察審査会法に基づき、今後、東京
地裁が指定する検察官役の弁護士が強制的に起訴する。政界の最高実力者と
される小沢氏が国民の判断により、法廷で刑事責任を問われる異例の事態と
なった。当面は小沢氏の進退や野党が求める国会での証人喚問の行方が焦点
となる。

 

検察審査会が起訴すべきとの議決をしたことで、政権交代を実現した立役者
であり、政界の最高実力者と言っても過言では無い、そんな小沢氏が法廷で
刑事責任を問われることとなった。尖閣諸島の問題で対中関係が悪化し、弱
腰外交と批判を浴びる民主党にとって、再び政治とカネの問題が噴出してき
た格好だ。そして、小沢氏にとって法廷で無実を主張するにしても、判決が
確定するまでは、それなりの時間が必要となるだろう。その間に小沢氏の影
響力は薄れ、ある意味では菅政権が推し進める脱小沢路線は実現するのでは
ないか。強制起訴されるに至った小沢氏の進退は当然のこととして、だんま
りを決め込むのは許されないだろう。偽証が許されない証人喚問で、堂々と
身の潔白を主張するのが小沢氏にとっても良いのではなかろうか。