韓国紙・朝鮮日報は21日、北朝鮮が過去2回核実験を実施した咸鏡北道
州郡豊渓里一帯で3回目の核実験の準備を進めている兆候を米国の偵察衛星
などがとらえた模様と報じた。報道によると豊渓里一帯では車両や人の動き
が活発化している。2回の地下核実験で崩壊した坑道を復旧する動きもある。
一方、同紙は、韓国政府消息筋の発言として、「すぐに核実験を実施するの
ではなく3カ月程度の時間がかかると予想している」と伝え、北朝鮮当局が
核実験準備をちらつかせ、米国や韓国に関係正常化や支援のための交渉開始
を迫るのではないかとの韓国側の見方を紹介した。北朝鮮は06年10月と
09年5月に2回の地下核実験を実施している。

 

金正日総書記の後継として三男の金正恩氏が表舞台に登場し、その景気付け
のためなのか、真偽は定かではないものの、北朝鮮が核実験の準備を進めて
いると報じられている。米国や韓国だけでなく、我が国も安全保障の面で大
きな影響を受けるだけに、正確な情報をつかむ必要があるだろう。20代の
若き後継者は「金王朝」を受け継ぐことになる金正恩氏。不明な点が多い中
で、間違いなく言えるのは、その能力は未知数だと言うことだ。社会主義国
家でありながら、権力の世襲が行われる異常事態に世界が注目している。韓
国軍の哨戒艦が撃沈された事件も、北朝鮮によるものと断定されながら、真
相は分からないまま有耶無耶になってしまった。崩壊すると言われながらも、
瀬戸際外交を繰り返して、延命を図ってきた北朝鮮のことである。今回の核
実験も日米韓と言った周辺各国との取引材料とするのではないか。我が国は
前のめりにならずに、堂々と構えているのが正解だろう。