中国外務省の馬朝旭報道局長は21日の定例記者会見で、中国の漁業監視船
が漁船保護のため、沖縄県尖閣諸島周辺海域に向け出航したとの中国メデ
ィアの報道について、同海域は「中国漁民の伝統的漁場」と重ねて主張した。
馬氏は報道に関し、具体的な内容には踏み込まず、法律に基づき対応してい
ると述べるにとどめた。20日付の中国紙、北京青年報は、中国農業省漁政
局所属の漁業監視船が14日、同周辺海域へ向け山東省煙台から出港したと
報じていた。

 

いつの間に尖閣諸島周辺海域が中国漁民の伝統的漁場になったのだろうか。
中国は漁業監視船である中国漁政「118号」「202号」、江蘇省漁政
総隊が所管する500トン級の監視船を同海域に派遣し、漁船保護の名目
で居座ろうとする動きがある。農業省漁政指揮センター幹部は「釣魚島の
トロールは国家の主権保護のためであり、あらゆる困難を乗り越え、巡
航任務を達成する」と語っており、まるで尖閣諸島が自分のものであるか
のように振る舞っているではないか。このような事態になっても、海保に
対応を一任するのだろうか。漁業監視船が出てきたことで、中国の動きは
領有への既成事実化を進め始めていると考えるべきだろう。何らかの対抗
措置は打ち出すべきだ。