菅直人首相と中国の温家宝首相は30日午前、ハノイ市内の会議場で約10
分間会談した。両首相は、日中の戦略的互恵関係を引き続き推進することを
確認。今後「ゆっくり話す機会」をつくることで一致した。菅首相と温首相
による日中首脳会談は、29日に行われる予定だったが、中国側の意向で急
きょ見送られた。これについて、両首相は「会談が行われなかったことはと
ても残念だ」との認識を共有。また、民間交流の強化が重要との認識でも一
致した。菅首相に同行している福山哲郎官房副長官によると、両首相の会談
は、東アジア・サミットが始まる前の時間を利用して、控室で「自然な形」
で行われた。 

 

ASEMでの会談も廊下に置いてある椅子で行われ、公式な会談と言うより
も立ち話でお互いの立場を主張して終わっている。国内向けのポーズとして、
対日強硬姿勢を崩せない中国側の事情なのだろうが、まるで我が国側が場所
も選ばずに会談していただいている、そんな風にも見えてしまうのだ。それ
にしても、福山副官房長官は「自然な形」とは言うものの、どう考えても不
自然な会談である。首脳会談を一方的にドタキャンされたにも関わらず、控
室で10分会談しただけで満足してどうするのだ。これも菅首相が中国側に
配慮した結果なのだろうか。菅政権の対中国外交は一貫性が無く、その場し
のぎの対応が目について仕方が無い。とても戦略的互恵関係など築けないで
あろうし、中国側もそうは考えないのではなかろうか。