馬淵澄夫国土交通相は6日、事業の必要性の検証が進められている八ツ場ダ
ムの建設予定地を視察後に、大沢正明群馬県知事らと懇談した。懇談で国交
相は、同ダムについて「中止の方向性という言葉には言及しない。予断を持
たずに検証していく」と述べ、前原誠司国交相が示してきた中止方針を棚
上げする意向を表明した。また、「2012年度の政府予算案、この中身に
反映できる時期までに結論を得る」として、11年秋までに検証作業を終え
る考えを示した。

 

ここにきて民主党がまたしてもマニフェストの一つを撤回する方向に舵を切
ろうとしている。地元との対話を進めるために、八ッ場ダムの建設中止方針
の棚上げを決めたわけだが、単なる棚上げで終わらせては意味が無い。検証
が11年秋までかかると言うのも何故なのだろうか。前原前国交相が中止を
明言したのは政権交代直後のことで、それから2年もかかるのは遅過ぎない
か。ダム建設現場の地元はまたしても振り回されることになるが、いい加減
にして欲しいのが本音であろう。民主党は野党に攻勢の材料を与えてしまう
ことになるが、あまりにやり方が稚拙だ。自公政権の否定からスタートした
とは言え、その全てを否定する必要は無かった。今さらながら、それに気が
付かされたと言うことだろうか。