防衛省は8日、鹿児島県から沖縄県にまたがる南西諸島周辺で中国海軍の活
動が活発化していることに対応するため、陸上自衛隊に「沿岸監視隊」を新
設し、警戒・監視態勢を強化する方針を固めた。日本最西端の与那国島への
配備が最有力となっている。尖閣諸島を含む東シナ海での中国艦船の動きを
レーダーで監視するのが主任務となる。米軍とも情報交換することで、日米
防衛協力にも資することが期待される。防衛省関係者によると、新部隊は2
00人規模の「中隊」程度となる見通し。同省は2011年度予算の概算要
求で、部隊配備検討のための調査費として3000万円を計上している。

 

尖閣諸島周辺へ中国が堂々と進出してきたことで、それに対抗する意味で自
衛隊が警戒・監視態勢を強化する方針のようだ。必要に迫られてのことなの
だろうが、日本最西端に位置する沖縄・与那国島地域活性化も含め、自衛
隊を誘致する動きがあった。9月に行われた与那国町議選は誘致を推進する
町長派が4議席を獲得し改選前に続いて過半数を維持、反対派は2議席にと
どまった。誘致派は「人口減に歯止めがかかり、経済活性化につながる。国
境の島の守りにも不安がある」と主張し、反対派は「自衛隊が来れば台湾と
の摩擦を引き起こす。台湾との交流で活性化を図るべき」と訴えたわけだが、
中国が進出してきたことで、台湾との摩擦がどうと言っている場合では無く
なってきたのが現実だろう。誘致派、反対派それぞれの意見もあるだろうが、
中国の脅威が迫る中、沿岸監視隊の新設は必要ではなかろうか。