参院予算委員会は11日午前の理事懇談会で、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事
件のビデオ映像について「インターネット上に流出し、もはや秘匿する意義
は薄れている」として、国民に公開するよう政府に要求することを決めた。
同日午後、前田武志委員長が古川元久官房副長官に申し入れた。これに対し、
古川氏は「重く受け止めて対応を検討したい」と述べた。公開を求めたのは、
衆院予算委員会が政府に提出させた7分弱に編集したビデオ映像ではなく、
ネットに流れた約44分のもの。政府が保持するビデオのリストの提出と、
政府が説明責任を果たすことも要求した。 

 

映像を流出させたと海保の職員が名乗り出たことで、今回の問題はどう決着
を付けるかに移ったと言えるだろう。職員は事情聴取に「映像は神戸で見た」
「だれでも見られる状態だった」と話しているようだが、映像を入手した経
路が解明されれば、また違った展開となってくるのではないか。いずれにし
ても、海保の職員なら誰でも見られる状態だった、とすれば映像は国家機密
とは言い難い。映像も編集し研修用に作成されたものだったため、庁内だけ
とは言え広く見てもらうことを目的としている。Youtubeによって国
民の多くが目にした中、政府が秘匿しておく意義は無くなった。公開されて
いない部分も含め、全面公開をすべき時だろう。すでに遅きに逸した感もあ
るが、国民はあくまで真実を求めている。