北沢俊美防衛相は11日午前の衆院安全保障委員会で、沖縄県知事選が告示
されたことについて「日米で合意したものをほごにすることは国益からもな
かなかできることではない。できれば今後も政府と真剣に議論、相談をし合
える体制が沖縄にできればありがたい」と述べ、米軍普天間飛行場移設の政
府方針実現に向け、新知事との協議が進展することに期待を示した。一方、
仙谷由人官房長官は記者会見で「きょうの時点では政府がどう発言したかが、
各陣営に影響を与える可能性が強い。発言はご遠慮したい」と言及を避けた。

 

鳩山政権の置き土産である普天間基地の移設問題、告示された沖縄県知事
では3人が立候補しているが、いずれも普天間基地の県外移設を求めており、
誰が当選しても問題は泥沼化することだろう。現職の仲井眞知事は、条件付
きで移設を容認していたが、鳩山前首相の最低でも県外の発言によって、反
対派が勢い付き、再選のために普天間問題に正面から取り組まなければなら
ない状況に追い込まれた。ある意味、仲井眞知事も最大の犠牲者ではあろう。
現地の事情を全く考慮しないまま、鳩山前首相の罪はあまりに重い。鳩山政
権崩壊の引き金となった問題だけに、菅政権も無関心ではいられまい。特に
普天間基地のある宜野湾市長を務めていた伊波氏が当選すれば、協議どころ
では無くなる。今後の対応を真剣に考えて欲しいものだ。