自民党は13日、中国漁船衝突に関するビデオ映像流出事件をめぐり、海上
保安庁を所管する馬淵澄夫国土交通相政治責任を追及するため、同相の不
信任決議案を15日に提出する方向で調整に入った。また仙谷由人官房長官
に関しても、海保側に流出の責任を転嫁しているとして、同案提出を検討す
る方針だ。国交相については、海上保安官による流出の告白を首相官邸側に
連絡するのが、一報を受けてから2時間以上たっていたことが判明している。
自民党はこの点を特に問題視しており、同党国対幹部は13日、「不信任案
提出の機は熟してきた。分かりやすい対応を取る」と強調した。

 

中国漁船衝突事件の対応を見誤ったことで、菅政権の支持率は急減し、これ
を反転させるようなことは容易ではないだろう。むしろ、野党の攻勢が続く
ことで補正予算案を成立させても評価を得るのは難しい。さらに、事件を記
録した映像が流出したのも、政府が隠していた内容を国民が知ることになり、
さらなる不信を買ってしまった。民主党は政治主導と言いながら、流出元で
ある海上保安庁を所管する馬淵国交相は責任を取らず、海上保安庁の長官に
辞任を促す、そんな対応を繰り返せば官僚の士気は大きく低下するだろう。
そもそも映像を隠しておく必要など無く、さっさと公開していれば誰も傷付
くことは無かったのだ。そのことを自覚しないまま、政権運営をしていけば
何度も同じことを繰り返すだろう。