公明党山口那津男代表は16午前の記者会見で、自民党が検討している仙
谷由人官房長官らに対する参院での問責決議案について、「今後の議論を踏
まえて、提出、賛否両面で選択肢の一つとして持っておく必要がある」と述
べ、賛成する可能性に言及した。山口氏は15日の民放BS番組では、「同
じ理由で参院で問責をするというのはなかなか説得力に乏しい」と語り、自
民党との共闘に慎重姿勢を示していた。会見での発言はこれを軌道修正した
ものだ。山口氏は「参院で問責はより重要な政治的意味を持っている。可決
される条件をしっかりと整えておく必要がある。幅広い対応の可能性を持っ
ておくことが大事だ」と強調した。 

 

質問もされていないのに答弁をするなど、敢えて野党の矢面に立っているか
のように見える仙谷官房長官。確かに菅政権を守る姿勢は見えるものの、自
ら野党の攻勢を誘っているようにも見えてくるのだ。中国漁船衝突事件の対
応にしても、責任を那覇地検に丸投げした格好となり、政治家は誰も責任を
取らない醜態を晒した。与党が多数を占める衆院では不信任決議案は通らな
いが、与野党が逆転した参院では問責決議案を通すことは可能である。むろ
ん、野党の足並みが揃うことが条件となるが、すぐには与党入りはしないこ
とを選択したのか、公明党が問責決議案賛成に舵を切ろうとしている。決議
案を通すには、最低でも、みんなの党共産党たちあがれ日本の賛成を必
要としているが、公明党自民党との共闘を選べば、一気に流れは出来るの
ではないか。問責案が通ることの意味を、菅政権は今一度考える時だろう。