仙谷由人官房長官は17日午前、柳田稔法相を首相官邸に呼び、法相が国会
軽視と取れる発言をした問題について事情を聴取し、厳重注意した。法相は
「謹んでお受けします」と答えた。法相はこの後、菅直人首相とも会った。
会談後、法相は記者団の質問には答えず、無言で官邸を出た。事情聴取に先
立ち、仙谷長官は記者会見で「事実関係を確認し、適切に注意すべき事柄で
あれば、そのようにするつもりだ」と述べた。法相は14日に地元の広島市
で、国会答弁に関し「法相は二つ(の言い回しを)覚えておけばいい」など
と発言。野党の反発を招き、16日の衆院法務委員会で謝罪に追い込まれた。 

 

菅政権の末期症状なのだろうか、閣僚から不用意な発言が飛び出し、その収
拾に追われているようでは、まともな政権運営を期待するのは難しい。政治
家や閣僚の無責任さが際立つ民主党政権だが、柳田法相への処分を誤れば、
野党から相当な反発を招くだろう。「個別事案への回答は差し控えたい」「
法と証拠に基づいて適切にやっている」の二つだけで乗り切ったなど、冗談
としても程度が低い話である。単に厳重注意で済ませてしまいそうだが、こ
こまでタガが緩んだ政権では困るのだ。野党側は問責決議に値すると反発し、
民主党はまたしても自ら攻勢を誘った格好である。臨時国会を逃げ切っても、
年が明ければ通常国会が始まる。場当たり、先送り、居直り、いつまでそん
なことを繰り返しているのだろうか。