仙谷由人官房長官は18日午前の参院予算委員会で、自衛隊について「暴力
装置でもある」と述べた。質問者の世耕弘成自民党幹事長代理の抗議を受け、
直後に発言を撤回したが、野党から批判が強まりそうだ。発言は、防衛省
関連行事の来賓に政治的発言を控えるよう求める通達を出したことに関する
質問への答弁。仙谷長官は「公務員の世界では、(言動に)政治的中立性が
求められる」と指摘、「暴力装置でもある自衛隊、軍事組織でもあるから、
シビリアンコントロールが効かなければならない」と語った。これに対し、
世耕氏は発言の撤回と謝罪を要求。仙谷長官は「不適当だった。撤回して実
力組織と言い換える」と述べた。 

 

柳田法相に続いて仙谷官房長官の失言が出てしまい、もはや菅政権のタガは
緩むどころか外れてしまったかのようだ。自衛隊がらみでは民主党の議員が
入間基地での納涼祭において、秘書が運転する車を呼び寄せる際、空自側の
規則どおりの対応に不満を抱き「俺を誰だと思っているのか」と恫喝した疑
いが出ている。国防の根幹を担うはずの現場と意識の乖離が出てくるのは、
望ましいことでは無く、現状の自衛隊専守防衛で攻めてこられない限りは
反撃も出来ない組織である。国民に対して暴力をふるう組織でも無く、仙谷
氏の認識が誤っていたのは間違い無いであろう。個別の発言にいちいち目く
じらを立てるつもりは無いが、ここまでいい加減な発言が飛び交う中で、そ
ろそろけじめを付けて欲しいものである。