菅直人首相は19日夜、首相官邸で記者団に対し、民主党小沢一郎元代表
が18日の党所属議員との会合で早期の衆院解散・総選挙の可能性に言及し
たことについて「政治家はいろいろとコメントすることはある。そう受け止
める」とした上で、解散・総選挙に踏み切る可能性について「いろんな人が
いろんなことを言うのは自由だ」と述べた。

 

政権末期の様相を呈している菅政権。ここまで追い込まれた以上、円滑な政
権運営は難しいと言わざるを得ないだろう。特に外交で失敗した印象を国民
が持ってしまったことで、菅政権は頼りにならないと見限られたのであろう。
支持率の低下は底無し状態で、上昇の気配は見られない。停滞感を打破する
ために、衆院解散に打って出ようにも参院選での大敗が尾を引き、菅首相
は戦えないとの声が出るのは間違い無い。選挙に弱いイメージを持たれてし
まっては伝家の宝刀を抜こうにも、周囲が抜くのを止めようとするだろう。
小沢氏が何のために衆院解散・総選挙の可能性に言及したのかは分からない
が、菅首相の後は引き継げるのは自分しかいない、とのアピールなのだろう
か。だが、民主党を低迷させた原因の一つは自分自身の政治とカネの問題に
あることを忘れてもらっては困るのだ。