菅直人首相は19日、国会を軽視する発言が問題視されていた柳田稔法相を
更迭する方針を固めた。首相ら政権首脳部は当初、柳田氏を擁護する姿勢を
見せていたが、このままでは政府・与党が今臨時国会の最重要課題に位置付
けている平成22年度補正予算の成立が危ういと判断した。民主党幹部は同
日、柳田氏更迭に伴う国会運営に関して野党と協議を開始した。後任の法相
には小川敏夫法務副大臣らの名前が浮上している。民主党は柳田氏更迭の時
期について、問責決議案提出前▽決議案提出直後▽決議案採決後−の3通り
の選択肢を検討中だ。

 

菅首相は事態を乗り切るために、結局は柳田法相を更迭することになりそう
だ。補正予算衆院を通過しているため、参院で野党が採決を引き延ばして
も、会期を延長すれば、参院送付後30日で自然成立する。だが、他の重要
法案の審議日程の確保は難しく、連立を組む国民新党が郵政改革法案の成立
も危うい状況である。野党が多数を占める参院では問責決議の可決は不可避
で、可決される前に更迭して面目を保つのか、可決をもって仕方無しと自発
的な辞任に期待するのか、いずれにしても菅政権への打撃となるだろう。い
ったいこの臨時国会とは何だったのか。菅政権の迷走はいつになったら収束
を見せるのか。