野党は、柳田法相の更迭を受け、菅首相任命責任追及などで引き続き政府・
与党を揺さぶる構えだ。自民党参院で仙谷官房長官や馬淵国土交通相の問
責決議案提出も検討している。ただ、公明党には仙谷氏らに対する問責提出
に消極論もあり、自民党は時期などを慎重に判断する方針だ。自民党は22
日昼、谷垣総裁ら党幹部が国会内で今後の対応などを協議した。石原幹事長
は協議に先立ち、国会内で記者団に「(柳田氏の)辞任は当然だ。任命した
のは誰か。菅首相だ」と述べ、首相に任命責任があると批判した。仙谷氏ら
への問責決議案については「私たちの態度を明確にする意味がある」として、
提出に改めて意欲を示した。

 

言葉は悪いが柳田氏は「あの程度」の発言で辞任に追い込まれた以上、本来
なら他にも辞任しなくてはならない閣僚はいるはずである。言わば柳田基準
のようなものが出来てしまったとも言えるのではないか。法務については素
人同然だった柳田氏を任命した菅首相の責任は重いが、果たしてこの苦境を
乗り切る術はあるのだろうか。当面は仙谷官房長官が法相を兼務して乗り切
るにしても、低空飛行を続ける菅政権の支持率は確実に党内からの支持も失
っていく。選挙に勝てない首相に用は無い、そんな風潮はまるで自民党政権
の再来である。しかし、ここまで支持率が下がったのは民主党の無責任体質
にあるのだ。それを改めないまま、今を凌げれば良いと考えているようでは
通常国会は今以上の混乱となるのではなかろうか。