菅直人首相は23日午後、北朝鮮が韓国西方沖の延坪島を砲撃したことを受
け、首相官邸仙谷由人官房長官や伊藤哲朗危機管理監らを集め、情報収集
に全力を挙げるとともに、「不測の事態」に備えて政府全体として準備する
よう指示した。北沢俊美防衛相にも電話で同様の指示をした。首相はこの後、
官邸で記者団に「しっかり情報を把握して、どういうことが起きても対応で
きるよう備える。国民に備えは万全と言える態勢をつくりたい」と語った。
首相は午後3時半ごろ、首相公邸で秘書官を通じて砲撃戦発生の連絡を受け
たという。

 

北朝鮮が砲撃を加えた意図は不明であるものの、韓国側に死傷者が出ており
状況は緊迫している。李明博大統領は戦闘が拡大しないよう指示したようだ
が、北朝鮮がさらに戦闘行動を続けた場合の対応は苦慮しそうだ。現場周辺
海域では韓国軍が砲撃訓練を実施していたとは言え、北朝鮮がここまでの行
動に出てくるとは予期していなかっただろう。すでに韓国軍は全土に最高レ
ベルの警戒態勢を敷き、北朝鮮に備えている。いつもの瀬戸際外交と見るべ
きなのか、金正日総書記の3男の権力継承に向けた対外行動なのか。政府に
は準備だけはしっかりして欲しいものだが、沈没寸前の菅政権に期待するの
は酷かもしれない。