仙谷由人官房長官は24日の閣議後記者会見で、北朝鮮による韓国砲撃を受
け、朝鮮学校の授業料無償化問題について「現在進めているプロセスをいっ
たん停止する方向に動く」と述べ、無償化の申請受け付けなどを当面見合わ
せる考えを示した。高木義明文部科学相もこの問題について「重大な決断を
しなければならないかも分からない」と述べ、無償化見直しの可能性を示唆
した。仙谷官房長官はこの中で、「現時点では制裁的な意味合いではないが、
朝鮮半島が緊張してくる中で、現時点では手続きを停止するのが望ましい」
と表明した。

 

密室で朝鮮学校の授業料無償化が決まったプロセスは批判されてきたが、結
局は外的な要因によって無償化は当面見合わせることとなった。友好国であ
る韓国に対して、民間人の住む島へ無差別砲撃を加えた北朝鮮。これを許し
ていては話になるまい。仙谷官房長官は制裁的な意味合いはないと表明した
ものの、実質的には制裁の一種である。一番心配なのが、民主党が党内事情
から放ってきた安全保障の議論であろう。北朝鮮瀬戸際外交に打って出て
きた際に、関係各国と連携して毅然と対峙出来るのか。そもそも今の菅政権
にそれが出来るのか。肝心の政府が頼りない中、朝鮮半島情勢が緊迫化して
きたのが心配である。