米軍普天間飛行場移設問題の行方に影響を与える沖縄県知事選は28日、投
開票され、無所属で現職の仲井真弘多氏が、無所属新人で前宜野湾市長の伊
波洋一氏、諸派新人で幸福実現党員の金城竜郎氏を破り、再選を確実にした。
これを受け、政府は、名護市辺野古を移設先とした日米合意の実現を仲井真
氏に働き掛けていく方針。しかし、仲井真氏は選挙戦で「県外移設」を訴え
ており、普天間問題を合意に沿って進展させるのは困難な情勢だ。

 

民主党にとって仲井眞氏が勝利することを願っていたことだろう。だが、そ
の割には表立って仲井眞氏の支援もせず、県連の一部は伊波氏を支援するな
ど対応はちぐはぐで、事実上の分裂選挙に陥っていた。普天間基地の移設問
題は鳩山前首相が問題を深刻化させただけでなく、最低でも県外移設と言う
軽はずみな言葉によって、解決への糸口すら見えない状況に追い込まれた。
仲井眞氏は県内移設反対の県民大会に出席した際も、明確に移設反対の言葉
を使うことは無かったが、移設予定先の名護市の市長選で反対派が勝利した
ことで、自身の再選が危ういと見たのか、県外移設を選挙戦で訴えざるを得
なくなった。仲井眞氏も鳩山前首相の発言によって追い込まれた一人と言え
そうだが、民主党は問題の解決に全力を尽くすしかない。それが責任の取り
方と言うものである。