菅直人首相は7日夜、首相官邸で記者団に、8日で政権発足半年を迎えるこ
とについて「多くの課題でかなりのことが実現しつつあると思っているが、
十分国民に伝え切れていない」と述べた。その上で「今までやってきたこと
を伝えながら、来年の予算に向かって準備を進めたい」と強調した。また、
仙谷由人官房長官は記者会見で「今まで自民党ができなかったが、やれたこ
とがある」としつつも、「(国民から見て)身近な実感として返ってくるも
のがない分、つらい状況に政権がある」と述べた。 

 

8日で政権発足から半年を迎え、菅首相と仙谷官房長官がこの半年を振り返
ったわけだが、いったい何が実現しつつあるのだろうか。例えば鳩山政権の
置き土産である普天間基地の移設問題に手を付けたようには、とてもではな
いが見えないのだ。多くの課題とやらを列挙することは可能なのだろうか。
自公政権が良かったとは思わないが、民主党政権運営を見ている限りでは
如何にも素人臭さが抜けず、またそれが新鮮にも見えないのだ。自画自賛
るのは勝手としても、結果を残さないのは困る。臨時国会でさえ、あの体た
らくでは通常国会を乗り切れるのか。社民党を抱き込むことで、数の力で押
すつもりなのかもしれないが、それとて再可決に必要な議席のギリギリのラ
インでしかない。一人でも欠ければ、窮地に陥る状況は変わっていないのだ。
状況を認識した上で行動すべきだろう。